ミニモニター・変幻自在
小さい物に魅力を感じる人は多いようで、人間の共通心理を扱った本などには蒐集癖と並んでよく取り上げられています。
私の場合は精巧な物でさえあればデカくてかまわないんですが、機能が似たようなものなら小さい物のほうが技術の集積度が高い蓋然性があるですよ。それで、相対的に小さめのものが集まってしまうだけだと自分では思っています。
だから、モバイル物や模型に惹かれる人というのも、いわゆるミニチュア愛好家とは系列が違うと思いますけど、その話は措いといて、さっさと本題に入ります。
第1回でご紹介したミニキーボードに組み合わせる極小モニターのお話。滅多に操作しない自宅サーバーのコンソールなので、ひたすら小さくて可愛いけど機能は一人前(ここが肝心)が選択の指針です。
店頭でも通販でも、車載対応やテレビ兼用のモニターはすぐ見つかります。
「そのほうが便利じゃん」
「うん」
で片付いたらよかったのですが……、
よくある車載用の7インチワイド液晶は、ダッシュボードに固定する鉄のスタンドしか付いていないし本体色もシルバーかガンメタで、どうもリビング向きではありません。パールホワイトのキーボードにもミスマッチ。
見て呉れよりも、わたし的にNGなのが、実は16:9のワイド画面です。
10インチ以下のモニターは、たいていディザリング処理によって、縦480ピクセル程度の液晶で擬似高解像度(1024×768相当)を実現しています。16:9で仮に縦が480なら、横は800ピクセルになりますよね。だったら、PCのほうに800×480や1280×768といったビデオモードがないと、せっかくワイドモニターでも640×480(4:3)しか使えないんじゃないの? ということです。
実際に、ある7インチワイドモニターのカタログを見ると「有効画素数:800×480、最大解像度:1024×768(ディザリングによる)」となっています。もしビデオカードが1280×768などに対応していても、モニターの入力レンジ外なのでしょう。要するにワイド画面はカーナビやDVD再生でしか意味がないわけです。
※もっとも、ワイド画面の7インチ(対角線)で縦768を表示すること自体に無理があるような気がします。
テレビ兼用タイプのほうは、そもそもアナログRGB(15ピンD-Sub)をサポートしていないものが多くて問題外。
それでWebを検索しまくって辿り着いたのがこれです。CASTRADEという会社の8インチモニター「CL-D8000TP」で、パールホワイトのほかにパールブラックがあります。
キーボードやマウスも小さいので、左右205mmのモニターも写真では普通の大きさに見えてしまいますね。物差し代わりのDS Liteでスケール感覚を補正してください。
3色のプラグはAV入力で、電源も含めてすべてのケーブルがミニD-Subコネクタから分岐しています。
擬似1024×768の画質は「それなり」ですが、このモニターの最大の売りは精細度なんかではなく、
タッチパネルを搭載しているため、その気になればキーボードもマウスも撤去できることなのです(写真のスタイラスとブウ様は付属品ではありません)。スタンドは2か所でチルトし、高さと角度を自由に設定できます。私はタッチパネル要らないんですけど、
それは私が想定外の客なだけで、このモニターが小さい本来の理由は「タッチパネルだから」でしょう。レジ係や通りすがりの人が指で操作する場面を想像すると、解像度も低めのほうが扱いやすいはずです。
そこで、どうでもいい考察
じゃ、なんのための擬似1024×768かというと、モニタに触るお客さんやレジの人ではなく、アプリを作ったりメンテする側の人の使い勝手を考慮したものと推察します。
それが的外れでもない証拠に(?)、なんと専用スタイラスは液晶ユニットの裏に、隠すように埋め込まれているのです。解像度を上げると指先で正確にポイントするのは困難。これはもう「お客さんはVGA画面に指タッチ」「中の人は秘密のスタイラスで高解像度」というミッションを帯びているいるとしか思えませぬ。
後頭部に隠された手裏剣型(かんざし型?)のスタイラス
セットアップは、物理的にケーブルをつなぎ、付属の3インチCDからタッチパネル用のドライバとユーティリティをインストールするだけ。既存のモニタープロファイルが使われるので、うっかり表示できない解像度を選んだりすると厄介なことに……。
リモコンが付いているのは、電源のON/OFFや入力の切り替えに便利です。が、このリモコンが曲者で、私はリチウム電池を装填するのに30分近い格闘を強いられました。
明らかに「→右に押して、↓手前に引け」という絵でしょ? そうやっても微動だにしないんで上の説明文を読むと、
「press the battery cover」ふむふむ。
「or the left by the right thumb」???
謎は深まる一方。ラジオペンチで引っこ抜きたい衝動を抑えつつgoogleで調べてみたところ、いともあっさり解決。
なんの関係もない日本アビオニクス様のドキュメントカメラ「Pj-Mate」のマニュアルに、超簡潔にして明解な説明が載っておりました。これならイラストが(1)だけでも判ります。日本に生まれた幸せを感じますねえ。ふう~。
以上、こちょこちょこ商品パッケージに突っ込みどころはあったものの、機材としてのCL-D8000TPはミニPCモニターとして申し分ない製品だと思います。3.5万円前後の実勢価格が高いか安いかはニーズとの兼ね合いですね。
こんな写真を撮ることは二度とないと思うので最後に一発。
ちなみに、このスタイラスはDS Lite用。軸が伸ばせるのでタッチパネルを多用する向きには重宝です。が、もっと便利なのがZaurus用のPentopia(PILOT)。伸縮&ボールペン内蔵で、DS Liteのスロットにピッタリ収まります。
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