Nano-ITXケースの按配
マザーボードのフォームファクターについて調べていたらNano-ITXのマシンが欲しくなり、ベアボーンキット「Square Zero 10000」を買ってしまいました。
世界最小クラス(幅160mm × 奥行き163mm×高さ82.5mm)の「手のひらサイズ」とラベルに書いてあるとおり、 片手で掴めます(但し私は手がデカいほう)。
この小ささは、カーオーディオの2DINサイズを幅・高さとも2cm縮めたぐらい……と言っても車を運転する人にしか通じませんね。要するに、Mac Miniを3cmほど厚くしたサイズです。
ということは、近ごろ評判のMP965-D(AOpen)と比べても3cm強厚いわけで、あちらはCentrino Duo(Santa Rosa)ベースで松下のスロットイン式スーパーマルチドライブ標準搭載とか言われると、なんだか旗色の悪いSquare Zero君ですが、仔細に見ると両者のコンセプトはまったく異なることが判ります。
Square Zero 10000にはEPIA-N 10000Eというマザーボード(C5P NehemiahコアのC3ベースで1GHzのLuke CoreFusion Processor搭載)が組まれていますが、Square Zero自体はNano-ITXフォームファクターの「PCケース」なので、スペックが不満ならC7ベースのNX15000G(1.5GHz)などで組む手があるし(※)、どこかがSocket Pマザーを出さないとも限らない(?)。2DINサイズに着目して車載加工してみるのも面白そうです。
※それほど甘くないことが判明(後述)
一方、独自設計のMP965-DはBTOなら一般向けに浸透しそうな製品です。アップグレードパスはプラグオンデバイスに限られますが、Socket PとMini Cardの対応製品が充実してくれば、VIA依存性が高いNano-ITXより末永く使えるかもしれません。ただ、筐体が50mmの薄さでは冷却系のチューニングは難しいでしょう。
個人的にMP965-Dを買わない理由は別で、実はこのマシンが売りにしているMini Cardです。据え置きPCは有線LANでいいし、XPをインストールするからTurbo Memoryも使えない。そうなるとMini Cardスロットの使い道がありません。
もう一つの理由はPS/2ポートがないこと。USB変換でPS/2デバイスが使える可能性はあるにしても、私の場合、そこのところが「運次第」では困るのです。その訳は後ほど。
Square Zeroの背面です。MPEG-2/4アクセラレータを統合したオンボードビデオのほか、HDTVエンコーダも搭載しているため、画像出力はD-Sub、RCA、S-Videoの3系統になっています。
なお、DVI出力には別売のドーターカードとコネクタのセット(DVI-03)が必要で、これは高速電脳などで売っています(下の写真)。
詳細なスペックは販売元のホームページを見ていただくとして、バックパネルをよく見ると段差があるのが判ります。コネクタ類を取り巻くようにアウターパネルが取り付けられているのですが、これがあっても背面と突起物がツライチになるわけではなく、ネジを増やしているだけで「要らない」っぽいんですよね。
横から見ると、こんな感じです。このアルミパネルはフロントにもあり、前のほうはスイッチ類のレタリングや、スイッチ頭部とアクリル板をツライチにするのに一役買っています。
前に[ があるから、後ろにも ]を付けて高さを調整しているだけ?
だったら、折り曲げないでアクリル板と高さを揃えればいいわけで……、意味が判りません。
そう思いながらケースを裏返すと、小さな通気孔(スリット)がありました。マザーボードの裏にはMini PCIのソケットもあり、[ ]が底面の通気を確保するためのスペーサーになるのは確かです。が、Square Zeroにはゴム製の脚も添付されているので、決定的な理由とは思えません。
そんなことをくだくだ言っているのは、上面の余計な出っ張りがこのケースの可愛さを著しく損ねていると思うからです。
試しにPhotoShopで取っ払って、オーディオ風の脚を付けてみます。ついでにアクリル板も無色に、と。
どうです? こっちのほうが、ずっとスッキリするでしょう(あまり変わりませんか。そうですか)
この[ ]、わたし的にルックスはNGですけれど、実は大変お世話になっています。
家の仕事場は下の写真のような状態でHIDとモニターをShuttle Xと共有しているため、Square Zeroの上のCPU切り替え器は9本のケーブルの重みで後ろに転落しそうなバランスなんですが、[ ]のお陰でキャスターを押しても引いても大丈夫。モヒカンルーフの恩恵です。
前のほうで「PS/2デバイスが確実に動作しないと困る」みたいなことを書いたのは、このキーボード(IBM SpaseSaver II)と切り替え器があるからです。
IBMのキーボードは若い人にも人気があるそうで、中古を探している人も多いとか。
私の場合、なにしろ'91年頃にはIBMか富士通しかマトモな日本語キーボード(DOS /V対応)がなく、西川和久さんが使っていたSpaseSaver(5576-003型鍵盤)が堅牢そうで小さくて気に入ったのが振り出しで、A01型と共に写真のSS II、SS IIIと、IBMを使い続けています。
余談
打鍵感はA01と003が自分のベストですが、さすがに昨今の事務所の騒音レベルからすると、うるさくて気が引けます。SS IIIは静かな代わりに剛性感が乏しく、トラックポイントがあるのに要らないタッチパッドに迎合しているのも無駄。というわけで、主な仕事場ではSS IIとThinkPadを常用しています。そのへんの話は、またの機会に。
しかしケーブルが汚いですね。ケーブルはどんなに綺麗に処理しても、みずから絡まる性質を持っているというのは絶対に事実だと思います。深夜に抜き打ち検査をしたら主犯のケーブルが でへへ (^^; かなんかで、そそくさ縮まったりして。
そうなると、どう見てもミスマッチな青いアクリル板も「琉球ガラスみたいで、いいなあ」とは思わないけど「ま、いっか?」と。
さて、モヒカンルーフ(って、本当は車でルーフの両サイドに接合部がある構造をいいます。念の為)の存在理由ですが、ケースごと業務用機材や自動車のコンソールに組み込む場合の強度メンバーおよび通気性確保のため、ですかねえ。ただし、このケースでは左右側面の通気性のほうが重要です。
初めのほうで「NX15000Gで組む手もある」と書いた責任上、NX15000Gを買ってきましたので、その話を少し。
結論から言うと、相当にPC自作の経験があり、知識も工具も持ち合わせている人でないとSquare Zeroへの組み込みは難しいと思います。
これがNX15000Gです。
N10000Eは大半のI/Oがマザーボードにビルトオンされているのに対し、NX15000GはLANコネクタしか付いていません。そのLANコネクタも嫌がらせのように微妙に位置が異なっているため、Square Zeroのバックパネルに合わせるにはシャーシを削る必要がありそうです。DVI変換ケーブルのDVI-03にも対応していません。
その他のI/Oはヘッダピンから専用ケーブルで引き出していくわけですが、マザーボードに添付されているケーブルはVGA、PS/2、USB、パラレルIDEに電源コネクタだけ(それもSquare Zeroのパネルに合うとは限らない)で、AV関係のケーブルは別売という玄人仕様。
ATXケースに昔のATマザーを突っ込むようなもので、これはもう、かなり親切なショップさんでもサポートし切れないでしょう。やるなら自己責任です。
それが「Nano-ITX」を提唱した同じメーカーの製品です。要するにNano-ITXというのは組み込みボードの規格で「サイズと取り付けネジの位置は揃えておくから、I/Oの位置・形状なんかは買った人が自由に決めてくれ」ってことですか。
確かに、VIAのホームページを見ても自作コンシューマを意識したPCプラットフォームとは書かれていません。
それなら、汎用のNano-ITXケースを作る場合、I/Oセットはケース側で用意しておき、コネクターケーブルをヘッダピンに差していく形にするしかないけれど(コストは高くつきそう)、だったら、なぜ先に出たN 10000Eは基本I/Oセットがボード側に固定されている、いわばATXタイプだったのか。おかげでSquare Zeroは「N 10000E専用ケース」になってしまった……。
それとも「Nシリーズ」はずっと同じI/Oレイアウトで出るんですかね。
そういう話ならケース屋さんも少しは安心してNano-ITX対応製品を企画できるし、サードパーティがSocket Pマザーを投入したらヒット間違いなし。
書き遅れましたが、このケースには80WのACアダプターと26dBAのミニ・ブロワーファンが付属しています。
これらは本機の静音化に大きく貢献しているようで、プロセッサもファンレスではないにもかかわらず、ついマシンを立ち上げたのを忘れてしまうほどです。
これでもウルサイと感じる人には、N 8000Eというファンレス仕様のマザーボード(800MHz版)もあります。ブロワーがあるから無音にはなりませんが、N 10000Eと同じレイアウトなので、Square Zeroへの組み込みに際してNX15000Gのような問題はないはずです。
ところで「ITX」っていうのは、どういう意味ですかね。
Integrated Technologies eXtended?
AはAdvaced、BはBalanced、NLはNew Low profileと、略語なら由来がありそうなものなのに、ITXについては説明を目にした覚えがありません(DTXのDは、Desktop?)。
そもそもITXマザーがなくて、いきなりMini-ITXでしょ。
ドリー・ファンク・ジュニアだって、若い頃はドリー・ファンク(シニア)がセコンドに付いていたものですよ、なんの関係もないけど。
ま、DOS/Vの意味だって定説はなくて、そんなアバウトさも互換機ワールドの可笑しいところではあります。
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